| メタボリックシンドローム |
| メタボリックシンドローム |
| 国民の健康状態を考える時に、その前提にあるキーワードが飽食と運動不足です。このような状況は肥満と、それに関連する疾患である高血圧、高脂血症、糖尿病などの増加を招いていることは衆知の事実です。そして「血糖値や血圧がやや高い」「肥満とはいえないけれども、お腹が出てきた」−それぞれは大したことがなくても、これらが重なると心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことが分かってきました。 心臓や脳の血管が詰まって命に関わる心筋梗塞や脳梗塞は、血管が狭くなったり、脆くなったりする動脈硬化によって起きますが、糖尿病と高血圧、高脂血症、肥満の四要素は、いずれも動脈硬化の要因として知られており、併せ持つと心筋梗塞などの危険性が一気に高まることから、「死の四重奏」とも呼ばれます。そんな中、生活習慣病を防ぐ新たな指標として注目されているのが「メタボリックシンドローム(代謝症候群)」で、糖尿病や高血圧が軽い場合でも、重複すると動脈硬化が進んでしまうのです。 |
| 糖尿病・高脂血症・高血圧症・肥満の合併・重複による危険性 |
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| メタボリックシンドロームと動脈硬化 |
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| メタボリックシンドロームの判定基準 | |
| 以下の5項目のうち、3つ以上が当てはまるようなら、メタボリックシンドロームが疑われます。 | |
| ウエストサイズ | 男性85cm以上、女性90cm以上 |
| 中性脂肪 | 150mg/dl以上 |
| HDL―コレステロール | 40mg/dl未満 |
| 血圧 | 上130/下85mmHg以上 |
| 空腹時血糖 | 110mg/dl以上 |
| メタボリックシンドロームを予防するために |
| ●適正体重を維持し、肥満防止に心がける |
| ●高カロリー、高脂肪食の摂り過ぎに注意 |
| ●腹八分を心がけ、食べ過ぎない |
| ●野菜や乳製品、豆類などをしっかり食べる |
| ●食物繊維を多く含む物を食べる |
| ●規則正しい食事を心がけ、朝食を抜いたり、寝る直前に夜食を食べたりしない |
| ●外食やファーストフードはほどほどにする |
| ●濃い味付けは避ける(塩分の摂り過ぎを招くだけではなく、食欲をそそり、食べ過ぎを招く) |
| ●お菓子やジュースなど、糖分の多い食品を食べ過ぎない |
| ●ウォーキングや水泳など、毎日適度な運動を心がける |
| ●睡眠・休養は充分に |
| ●ストレスを溜め込まない |
| ●酒を控え目にして、タバコは止める |
| メタボリックシンドロームと内臓脂肪型肥満 |
| メタボリックシンドロームが起こる主な原因として肥満が挙げられています。肥満がメタボリックシンドロームの原因となるのは、肥満になると脂肪組織や筋肉組織における糖の取り込み能力が低下してしまうためで、糖を代謝する時に必要なインスリンがうまく働かなくなります。 さらに肥満は、筋肉や肝臓でのグリコーゲン合成酵素の活性も低下させます。結果的に血糖値が高くなり、インスリンの働きが一層阻害され、インスリンがうまく機能しないと、糖尿病や高血圧、高脂血症の危険が高まります。 肥満には内臓の周りに脂肪が多くたまる内臓脂肪型肥満と、皮下脂肪が多く内臓の周りに脂肪が少ない皮下脂肪型の2つのタイプがあります。内臓に脂肪がたまると、全身の代謝がうまくいかなくなり、最後には動脈硬化から心臓疾患や脳血管疾患に至ります。 メタボリックシンドロームを招くとされる内臓脂肪の蓄積は、動脈硬化や動脈硬化につながる生活習慣病を引き起こします。内臓脂肪は比較的容易にたまるものの、容易に燃焼することができるので、日々の食事で栄養バランスを考え、運動を心がければ減らすことは可能です。 |
| インスリンの分泌と糖尿病 |
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| 糖尿病による血管の障害 |
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