デトックス



デトックス
 人間は栄養を取り入れ、不要となったものを便や尿などで排泄しています。このため健康維持の基本は適切な栄養補給と解毒・排泄といえます。これまでの健康法は「体によい」といわれるビタミンやミネラルを取り入れることが大切とされてきましたが、体内に毒素がたまっていては、その効果を発揮することができません。
 それどころか、体内に取り込んだビタミンやミネラルが蓄積している体内の毒素によって、効果を弱められてしまいます。このようにならないためにも、体内に蓄積された毒素を取り出すことが大切なのです。

体内毒素をため込む生活習慣(いくつ当てはまりますか、数が多いほど要注意)
・夜遅く食事をすることが多い ・野菜をあまり摂らない
・スナック菓子をよく食べる ・油物が好き
・水分をあまり摂らない ・ストレスが多い
・慢性的な睡眠不足 ・眠れないことが多い
・いつも便秘気味 ・食物繊維をあまりとらない
・いつもエアコンの効いた部屋にいる ・紫外線を浴びる機会が多い
・アルコールをほぼ毎日のように飲む ・コンビニやファーストフードをよく利用する
・普段から運動不足で汗をあまりかかない ・喫煙をする、あるいは周囲に喫煙をする人が多い

解毒力が低下すると…
(1) 体のミネラルバランスが悪くなることで、水分代謝が悪くなって体が疲れやすくなり、加えて肝臓の働きが悪くなると、体内の代謝も悪くなり、より疲れやすくなる。
(2) たまった有害毒素が生理活性物質の働きを邪魔することで、代謝や生体機能もスムーズにいかなくなる。
(3) 腸内細菌のバランスが悪くなることで、便秘になりやすくなる。オナラの臭いが特に臭くなる。体の抵抗力が落ち、病気をしやすくなる。
(4) 便秘がつづくと体内にいつまでも老廃物質が残り、老廃物から出る有害物質が体内を回って、頭痛や生理痛、吹き出物の原因となる。
(5) 有害物質を解毒しようと、肝臓がフル回転をすることで、次第に肝機能が衰えてくる。

有害物質の排泄場所

たまった毒素が引き起こす自覚症状
・頭痛 ・皮膚疾患 ・気分沈滞 ・肥満
・関節炎や関節痛 ・アレルギー ・消化器官障害 ・冷え症
・疲労 ・体力減退 ・腸内ガス ・うつ
・吐き気 ・むくみ ・PMS(月経前症候群)
・肩こり ・腰痛 ・血行不良 ・口臭
・不眠 ・かゆみ ・消化不良                     など  

排泄されない老廃物は強度の毒素に
 胃腸や全身の細胞から出る老廃物もまた軽度の毒素であり、これがうまく排泄されない時は強度の毒素ともなります。毒性を弱めるために体は水分を取り込んで中和しようとします。これがムクミです。胃腸で消化できなかった腐敗物や排泄物を体外に洗い流すには莫大なエネルギーが必要になってきます。

排泄力低下は病気を招く
 本来、老廃物や有害物質は肝臓、腎臓、呼吸、汗などを通して排泄されますが、排泄機能が低下していると、体内に蓄積され、やがては病気を招くことになります。

便秘は真夏の炎天下に生ゴミを放置しているようなもの
 人間の体温は36度前後。便秘は真夏に生ゴミを放置しているのと同じ状態。便秘が続くと腸内の悪玉菌が増えて毒素が発生します。

私たちの身の回りは有害物質だらけ
 現代はごく普通に生活していても、空気や水、食品など、あちこちにさまざまな有害物質が存在しているので、知らず知らずのうちに有害物質を体内に摂取しています。そして気付かないうちに私たちの体を蝕んでいるのです。そして、これらの有害物質の蓄積がさまざまな健康被害をもたらすのです。
(1)飲料水・食べ物 有害ミネラル、残留農薬、食品添加物など
(2)屋内 ダニ・ハウスダスト・受動喫煙など
(3)屋外 排気ガス・紫外線・土壌から流れ出るダイオキシンなど

主な有害物質の害
 アメリカ食品医薬品庁の研究者は「有害金属などの神経毒は学習能力や日常生活を普通に送る能力に対して広範囲のマイナスの影響を与える神経の構造と機能の面にこのような物質が与える悪影響をもっと調査研究し、悪影響を適切に評価できるようにする必要がある」とコメントしています。
(1)水銀 熊本県の水俣病などで知られます。強い毒性を持ち、蓄積されると運動失調や聴力障害などが現われることがあり、難聴、感覚障害、平衡機能障害、運動失調、言語障害、体のしびれ、抑うつ症状、自律神経症状などの原因となります。
(2)鉛 腎臓や肝臓にたまり、腎臓障害や肝臓障害を引き起こしやすいです。頭痛や疲労、筋肉痛、貧血などの原因となり、精神的にもダメージを与えます。
3)カドミウム 富山県のイタイイタイ病などで知られます。ホルモン撹乱物質候補あるいは、肺ガンの原因ともされています。体にたまりつづけて一定量を超えると、腎臓機能を徐々に破壊します。
(4)ヒ素 和歌山県の毒物カレー事件などで知られます。呼吸機能に必要な栄養素として結合し、その機能を妨げ、中枢神経マヒなどの自覚症状を引き起こします。
(5)ダイオキシン ベトナム戦争のアメリカ軍が散布した枯葉剤に含まれていたことから知られます。ダイオキシンの毒性としては脳の発達に必要なホルモンをつくる甲状腺の機能を阻害する、精子の数を減らす、免疫力を落とす−などが挙げられます。

薬味を効果的に利用して解毒を
薬味をたっぷりと使うことは解毒の促進につながります。一例を挙げると
(1)ニンニク ニンニクを細かく切ったり、おろしたり、油で炒めることによって、有効成分のスコルニジンが代謝を促し、毒素を排泄してくれる。
(2)ワサビ ワサビはシニグリンという辛味成分に殺菌作用があり、刺身などの生魚と一緒に食べれば、各種の病原菌や消化器系の寄生虫を退治してくれる。
(3)タマネギ タマネギを剥ぐとツンとする臭いがくるが、これは硫化アリルという成分で、毒素の排泄を促す効果がある。
4)ショウガ ショウガは辛味成分のジンゲロンに強力な殺菌作用や発汗作用があり、代謝力を上げる。

“肝心要(かんじんかなめ)”の臓器「肝臓」
 解毒を司る肝臓は体の中で一番大きな臓器で、成人男性でおよそ1500r、成人女性で1200r程度とされています。
 肝臓はよく「人体の化学工場」といわれ、解毒のほか、代謝、胆汁の分泌・生成、栄養の組み立て・貯蔵、血液量の調整などの重要な働きをしています。
 私たちは空気や水、食品などから知らず知らずのうちに有害物質を体内に取り込んでいます。肝臓は体内に入った有害物質を無毒化するために、胆汁の分泌を高めて、体内で発生する毒素を便として排泄することで、再びきれいな血液を全身に送り出す重要な役割を担っています。これが肝臓の解毒機能です。
 肝臓の機能が低下すると代謝が悪くなって、栄養の供給が滞り、毒素や老廃物が排泄されずに、たまってしまい、ひどくなると疲労感やだるさを感じます。