最近「アミノ酸」が注目を集めていますが、これは「筋力アップ」「スタミナアップ」「疲労回復アップ」などと重要な働きを持っていることが見直されてきたためです。アミノ酸といえば、中学や高校の授業で登場するなど、比較的良く知られてはいますが、実際はどのような働きをするのか、あまり知られていません。そこでアミノ酸を特集しました。

・人体を構成するアミノ酸 人体の構成比
・必須アミノ酸と非必須アミノ酸 ・特に大切な3大アミノ酸

アミノ酸の組合わせが体を構成
 私たちの体はタンパク質で作られていますが、アミノ酸はタンパク質を構成する最小成分です。発見されたのは19世紀後半で、20世紀になって急速に研究が進められ、「人間をはじめ、地球上に存在するあらゆる生物は、全て タンパク質でできており、この世にアミノ酸のない動物も植物も存在せず、アミノ酸は生命の根源ともいえる非常に重要な物質」ということが明らかになってきました。
天然のアミノ酸は現在までに500種類ほど確認されており、このうち人間の体を作っているアミノ酸は主に20種類。つまり、わずか20種類のアミノ酸が数個から数万個、複雑に組み合わさることで人間の体が作られているのです。例えるなら、20種類のアミノ酸というブロックが作られる形は、家や車、飛行機などといった具合に無数にあるようなものです。
食物として摂取したタンパク質は消化酵素によって、一旦、バラバラに分解され、一個一個のアミノ酸として体内に蓄積されます。さらに人体を構成しているタンパク質も絶えず分解され、、アミノ酸として体内に蓄えられます。その蓄えによって、ある時は髪の毛や爪などを、またある時は筋肉や臓器を必要に応じて作っているのです。

必須アミノ酸 と 非必須アミノ酸

 アミノ酸は全部で20種類。人間の体では合成できない「必須アミノ酸」9種類 と体内で合成できる「非必須アミノ酸」11種類になります。アミノ酸は必須アミノ酸のように体内でつくることが できなかったり、非必須アミノ酸のようにつくることは出来るけれど、状況によっては、不足することがあるので、しっかり と補給する必要があります。
アミノ酸が多く含まれているのは、肉や魚などの動物タンパク質ですが、これらの食品をたくさん 食べると他の栄養素やカロリーの過剰摂取になってしまうことにもなりかねません。特に肉類に含まれる資質を取りすぎると血管 内のコレステロールを増やしてしまいます。そこで、サプリメントの形でアミノ酸を直接摂取する という方法があります。
中でも特に大切なアミノ酸は ロイシン、グルタミンアルギニン、 の3つです。


必須アミノ酸 非必須アミノ酸
バリン アルギニン
ロイシン グルタミン
イソロイシン ジステイン
リジン アスパラギン酸
スレオニン グルタミン酸
ヒスチジン アラニン
メチオニン プロリン
トリプトファン チロシン
フェルアラニン アスパラギン
グリシン
セリン

L−ロイシン BCAA(分岐鎖アミノ酸)の一つであり、幅広い食品に含まれています。私たちの体内で合成できない必須アミノ酸であり、体のタンパク質をつくるのに重要な働きをしています。
@筋肉の強化、筋肉のエネルギー源
A肝機能の円滑化
B体のタンパク質を増やす
Cタンパク質の分解を抑える
L−グルタミン 体内のアミノ酸の約60%を占める重要なアミノ酸の一つ。体内で合成できる非必須アミノ酸で、体に取り込み、体のタンパク質をつくります。
@栄養素の吸収を助ける
A胃腸や筋肉の機能を正常に保つ
B胃粘膜生成作用
C免疫機能改善作用
D潰瘍治癒作用
E二日酔い、悪酔い防止作用
L−アルギニン 体内で合成されますが、大怪我や病気、手術などで不足がちになる非必須アミノ酸です。体をめぐり、体のタンパク質をつくります。
@栄養素を循環させる
A血管の機能を正常に保つ
B免疫機能の向上
C動脈硬化改善作用
Dアンモニア低下作用
E血管拡張(血圧低下)作用
F肝機能強化作用
G強壮作用
H筋肉正常化(修復)作用
I成長ホルモン分泌